強豪国のサッカースタイル・第4弾 ドイツ編 | 真面目に遊んで生きてくレシピ

強豪国のサッカースタイル・第4弾 ドイツ編

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現在サッカーは、IFABが定める競技規則によって、全世界共通のルールのもとにプレーされています。

しかし、共通のルールがありながらも、世界各国には様々なサッカースタイルがあります。

例えば、グループの規律を重視するヨーロッパ、それとは逆に、個人技を重視する南米。

いったいなぜこういった違いが生まれるんでしょうか。

そこには、体格や人種、生活スタイルなどの国民性から、政治、経済、音楽、言語などの文化までもが複雑に絡み合い、サッカー誕生から150年以上という長い歳月をかけて築き上げられてきた歴史があったのです。

そこで、「強豪国のサッカースタイル」と題したこの特集では、サッカーバカ歴20年の僕がその答えを求めるため、ワールドカップの強豪国、さらには強豪クラブチームがひしめいているヨーロッパと南米に絞って、各国のサッカーの由来に迫り、スタイルや戦術の違いを詳しくまとめてみました。

第4弾となる今回は、2014年ワールドカップ大会王者、ドイツをご紹介したいと思います。

↓第3弾・情熱の国スペイン編はこちら。

スペインのサッカースタイルをまとめています。この記事を読むことによって、無敵艦隊でおなじみのサッカー強豪国スペイン代表と、ヨーロッパの舞台で実績No,1のリーガ・エスパニョーラのスタイルや戦術の特徴がわかります。
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ドイツ人の国民性

規律や時間をきっちり守る真面目さ

近年のワールドカップでは必ず上位に入り、「堅実なサッカーで結果を残す」ドイツ代表。

緻密に練られた戦術作りから始まり、試合中は選手一人一人が規律を守り続け、与えられた役割を最後までやり抜くことで勝利をたぐり寄せるという、まさに国民性が表れているサッカーです。

ドイツ人は非常に計画的かつ用意周到であり、綿密に予定を組むことでスケジュール管理を徹底し、時間通り、予定通りに物事が進むように行動するため、途中で投げ出したりすることを大きく嫌うのです。

ドイツ人のイメージとして「真面目」とよく言われますが、まさにこういった普段の行動が、そう印象づけているのでしょうね。

感情や言葉遣いは控え目

2017年に開催されたコンフェデレーションズカップでも、その国民性が随所に確認できました。

国歌斉唱や試合中の振る舞いなどは、対戦相手のチリやメキシコが見せる感情むき出しの言動とはまさに対照的。

レフェリーに対して必要以上に抗議をしなかったり、ゴールが決まっても爽やかにハイタッチを交わし、軽いハグをする程度です。

さらに、このコンフェデでは、20代前半の若いメンバーが中心だった今大会のドイツ代表。

そんな彼らの感情をあまり表に出さないシャイ(死語か?)な振る舞いはかなり印象的で、日本人の僕からするととても親近感がわきました。

ゲルマン魂の本質とは

ドイツサッカーの代名詞として挙げられる「ゲルマン魂」。

魂(たましい)と聞くと、なにか熱い情熱のようなものを想像させますが、上述の通り、若い年代の彼らが見せたのはあくまでも奥ゆかしさを感じる立ち振る舞いでした。

ドイツ人の持っているゲルマン魂の本質とは、感情は表に出さずとも、計画通りに物事を進めたいという強い意志を持ち合わせた、能ある鷹は爪を隠す精神なのかもしれません。

ドイツ・ブンデスリーガに日本人が10人所属する理由」という記事でも解説していますが、2018年現在、ドイツのクラブチームに多くの日本人が所属している理由は、こういった「真面目さ」+「感情表現が控えめ」という2つの共通の国民性が大きく関わっていることは間違いなさそうです。

真面目だからこそ働かない

ただし、そういった共通点を持ちながらも、日本人とは決定的に違う価値観も持っています。

大半の日本人は、仕事熱心な人ほど残業をしたり、休日返上で働くのが当たり前ですよね?

企業規模の大小を問わず、役職が上の立場になればなるほど勤務時間が長くなる、というのが常態化している日本ですが、一方、ドイツ人の場合は、時間きっちりで仕事を終わらせ、いち早く帰れるように最大限の努力をするのです。

事実、OECDが発表した平均年間労働時間によると、日本は1713時間、それに対してドイツは1363時間。

年間休日を平均的な120日で仮定した場合、日本は1日平均6.99時間、対するドイツは5.56時間なので、日本人はドイツ人に比べて1日約1時間半も長く働いているということになります。(ドイツに住みたい)

  • 日本→「仕事熱心=長く働く」
  • ドイツ→「仕事熱心=効率性」

信頼のメルセデス

ドイツの得意分野と言えば、精巧な技術を必要とする機械工業の分野です。

特に世界最高峰のモータースポーツであるフォーミュラ1世界選手権(通称F1)では、ドイツのメルセデスの提供するエンジンが常に好成績を収めています。

そのF1の信頼性は市販車に生かされることにつながり、ドイツ車は日本でも以前から高い評価を獲得し続けています。

メルセデス・BMW・アウディ・フォルクスワーゲンなど、日本国内での輸入車新車登録台数(2017年4月)の実に6割以上がドイツ製なのです。

車に詳しくない人でも、「ベンツ」や「ビーエム」という響きは聞いたことくらいはありますよね?

ドイツ車はそれだけ日本で評価され、浸透しているわけです。

代表のサッカースタイル

ドイツサッカーの戦術の基礎になっているのは、確率論なのです。

サッカーとは、得点をあげなければ勝てません。
それと同時に、失点を抑えることで勝てる可能性が高まります。

当たり前のことですが、監督はそれらを確実に実行できる戦術プランを用意し、選手はそれらを確実に実行できるよう最善の準備をして試合に臨み、無駄を省いた効率的かつ冷静なプレーをやり続けることで、最善の結果にたどり着くのです。

それこそがドイツサッカーの持つスタイルであり、ゲルマン魂なのです。

そのスタイルは、時に衝撃の結果を生み出すこともあります…。

ミネイロンの惨劇…

2014年7月8日にベロオリゾンテのエスタジオ・ゴベルナドール・マガリャンイス・ピント(通称ミネイロン)で行われた、FIFAワールドカップ・ブラジル大会(2回目)の準決勝、ブラジル対ドイツの試合でブラジルが1-7の惨敗を喫したことを指す通称である。

Wikipedia

2014ワールドカップブラジル大会準決勝、開催国ブラジルとドイツの一戦。

前半11分にドイツに先制されたブラジルですが、「まだまだ試合はこれからだ!」と反撃を誓い、逆転の決勝進出を目指し意気込むセレソン。

しかし、黄色と青のカナリヤ軍団はそれから約10分後、ドイツサッカーの脅威を目の当たりにします。

ブラジルは前半23分~29分のたった6分間で4失点を喫し、最終的には1-7という歴史的大敗を味わうことになるのです。

国民の誇りであるセレソンが次々に失点を重ねるその光景を、まるで悪夢を見ているかのように、ただただ呆然と見つめることしかできなかった地元ブラジルサポーターたちの姿。

王者ブラジルが、ゴールへ最短のアプローチで向かうドイツサッカーの鋭い戦闘力に圧倒された試合でした。

時には惨劇をも生み出してしまうほどの質の高いドイツサッカーですが、それを裏付ける記録がワールドカップの成績にも表れています。

1954ワールドカップスイス大会以降現在まで、すべての大会でベスト8以上に進んでいます。

さらに、2002ワールドカップ日韓大会以降は、すべての大会でベスト4以上に進んでいます。

まさに「安定のドイツ」なのです。

ブンデスリーガの印象

ドイツのプロサッカーリーグは「ブンデス・リーガ」と呼ばれ、1試合平均の観客動員数ではイングランド・プレミアリーグを抑え、1位となっています。

リーグの力関係ですが、優勝はバイエルン・ミュンヘンが27回(2位は9回のニュルンベルク)と圧倒しており、ライバルチームで活躍しだした選手を買って自分のものにしてしまう「ジャイアン的1強」といった印象が強いですが、同じ1強でも、イタリアと決定的に違うのはクラブ運営の健全さです。

真面目なドイツ人によって運営されるドイツサッカー連盟という組織は、リーグへの参加条件を厳密に管理しているため、毎年のように記録が更新される莫大な移籍金が発生するような取引、爆買いによる破格の年俸提示などはほとんど見られません。

その成果もあり、かつては世界3大リーグと言われたスペイン・イタリア・イングランドに対し、2強以外は赤字運営のクラブが多いスペイン・リーガ・エスパニョーラ、FFPによる影響をもろに受け、リーグのバランスが崩壊したイタリア・セリエAに割って入るまでになり、近年好調のパリ・サンジェルマンを有するフランスと共に、現在では世界5大リーグと呼ばれる魅力的なリーグとなっています。

まとめ

「真面目」な国民性を生かし、ワールドカップの舞台では、優勝4回・準優勝4回・3位4回・4位1回と出場18回のうち、実に13回はベスト4に勝ち上がっているドイツ代表。

UEFAチャンピオンズリーグなどのクラブチームの国際大会でも、安定した成績を残すようになったブンデス・リーガ。

2017年のコンフェデレーションズカップでは、23才ながら経験豊富なエース、ドラクスラーを中心に若手主体のメンバーで大会を制し、選手層の厚さも加えながらさらに勢いを増している隙のなさ。

2018年ロシア大会、ユーロ2020、UEFAチャンピオンズリーグなどのカップ戦など、ピラミッドの高い位置でドイツサッカーを見る光景はしばらく続きそうです。

↓次回は、トータルフットボールを生んだ国、オランダです。

サッカー強豪国、オランダのサッカースタイルをまとめました。「トータルフットボールとはなにか?」「アヤックスユースアカデミー出身の選手は誰か?」といった疑問を解決できます。
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