一般的に、ショアジギングではPEという材質のラインを選びます。
しかし、他の材質のラインに比べて値段が高いPEラインをなぜショアジギングでは選ぶのでしょうか。
今回はその理由をお話しします。
PEラインは細くても強度が高い
PEラインとその他のラインを比較したとき、数字でハッキリと現れる大きな違いは「ラインの強度」です。
論より証拠、まずは一般的なPEラインとその他ナイロンやフロロカーボンなどのラインとの強度を比べてみましょう。
- PEライン・1号・9.07kg・0.171mm
- その他のライン・5号・9.072kg・0.370mm
日本釣用品工業会が定めている数字をもとにすると、PEラインで9kgの強度を出すためには0.171mmの太さで済みますが、その他のラインで9kgの強度を出そうと思ったら0.370mmの太さが必要になります。
つまり、PEラインなら半分以下の太さで同じ強度を得られるということですね。
細くても強度が高いということは、つまり簡単に言えば「より細いラインを使うことができる」。
というのも、釣りにおいて釣り糸は絶対に欠かせないものですが、それと同時に細ければ細い方が魚に出会える可能性が上がります。
なぜなら、太いラインは魚に警戒心を与えるばかりか、ルアーを遠くに飛ばせなかったり、風による影響を受けやすくなってしまったりと、デメリットばかりが増えることになるからです。
基本的には太いラインの方が切れにくく、丈夫であることには間違いありませんが、今お話したように「なるべくなら同じ強度(丈夫さ)でも細いラインを使った方がより多くのメリットがある」ということですね。
PEラインは伸びが少ない
伸びが少ないことによるメリット、少しピンとこないかもしれませんね?
少し掘り下げてお話しします。
メタルジグの動きで魚を誘うライトショアジギングでは、ジグが思った通りに動いてくれないとうまく魚にアピールすることができません。
生き餌のように動きや匂いに頼ることはできないので、我々アングラーにできることは「魚の視覚に訴える」ことがすべてなのです。
例としては極端になってしまいますが、例えばゴムひもの先にジグをつけて引っ張ったとしましょう。
ジグはフワフワもっさりと動くだけ、大きく動かしたり、動きにキビキビとしたメリハリをつけたりするのが大変なのは想像がつくはずです。
さらに、伸びが多いということは感度も悪くなるということ。
「感度が悪い」をわかりやすく言い直せば、「海中でルアーがどんな状態にあるのかがわからない」ということ。
ジグがどのくらいの深さを泳いでいるのか、コツコツモゾモゾとした反応は果たして魚だったのか、それとも海藻だったのか。
伸びの少ないPEラインなら、竿先から伝わるわずかな振動をダイレクトに感じ取ることができるのです。
世の中には、PEラインよりも切れにくいタフなラインがいくつかありますが、それでも伸びが多ければそもそも魚に出会うことが難しくなる。
魚を釣るためのきっかけづくりにおおいに役立つ性能というのは、どうやって効果的にジグの存在をアピールできるかが重要であって、そのプロセスを完遂するためにはラインが可能な限り「伸びが少ない」という性質を持っていることが絶対条件なのです。
メタルジグという無機質な人工物に魚が興味を引くよう、「動きで魅せる」ことがライトショアジギングの本質。
ライトショアジギングにおいて、PEラインの伸びが少ないという特長は、我々アングラーにとって絶対に外せない標準装備なのです。
まとめ
なぜライトショアジギングではメインラインにPEラインを選ぶのか。
要点をまとめます。
- PEラインは強度が高い
- 強度が高いということは、より細いラインを使うことができる
- より細いラインが使えるということは、魚の警戒心を和らげることができる
- より細いラインが使えるということは、飛距離を伸ばすことができる
- より細いラインが使えるということは、風の影響を減らすことができる
- PEラインは伸びが少ない
- 伸びが少ないということは、ジグを最大限にアピールすることができる
- 伸びが少ないということは、感度が良い
ルアーを投げる爽快感は私も大好きですが、せっかくなら魚を釣ることができた方が釣りは楽しいはず。
この記事があなたの趣味をより豊かにできますように。
Copyright secured by Digiprove © 2020