こんにちは、サッカーバカのゆんずです。
僕はサッカーが大好きです。
自他ともに認めるサッカーバカ造です。
僕の人生は、「NO SOCCER,NO LIFE」なのです。
そんな僕は、当然ながらサッカー中継をよく見ます。
そうすると、必ずあるのが「実況と解説」。
サッカー中継には当たり前のようにセットになっていますが、これ実はとっても大事なものだと、僕は思うわけです。
そこで!
この記事では、同じ試合でも「楽しいと感じるかつまらないと感じるかは実況と解説次第なのだ」ということをビシッ!!!と、伝えていきたいと思います。
「わざわざ記事にしなくてもいんじゃね?」と思ったあなた。
ほんとその通りです。
それが正論でしょう。
でも、この記事を読み終わる頃には不思議と、「実況を聞きたいからサッカー見たい!」という気持ちが芽生えていることでしょう…。
少しお付き合い下さい。
実況の相方、解説者についてはこちら↓で好きに語っています。
実況・解説の役割
極端な例をあげましょう。
もしもサッカー中継に実況と解説が全くなかったらどうなるか…。
いくら地デジ化で高画質になったとはいえ、ごく一般的なテレビでは、遠め(引き)の映像だと、
- 誰が誰だかわからない
- ホイッスルが鳴ったとき、なぜプレーが中断したのかわからなかった
といったことが起こるようになります。
この非日常を簡単に体験する方法があります。
スタジアムで直接観戦するのです。
10年ほど前、初めてスタジアムでサッカー観戦したときのこと。
埼玉スタジアムでの日本代表×北朝鮮戦。
後半ロスタイムに日本が2対1と逆転する劇的ゴールを決め、その瞬間の揺れるスタンド。
それはそれは最高のひとときを体験できました。
しかし、いつもテレビで見るサッカーとの違和感…。
それは、「実況がない」こと。
これはとても不思議な感覚でした。
応援するサポーターのチャント、湧き上がる歓声。
滞りなく進んでいく試合。
しかし普段あるはずのものがない…。
サッカー中継での実況と解説の存在の大きさに、そこで初めて気付いたのです。
実況を担当するアナウンサーの種類と特徴
ひとくちに実況・解説と言っても、そこは放送するテレビ局や、実況自体を担当するアナウンサー、解説者などの個性によって様々な特徴があり、ある程度の傾向に分けることが出来ます。
それをするためにはまず、各放送局の特徴を知っておいた方がいいでしょう。
放送局の特徴がわかったところで、ここからは実況を担当する人の種類分けをしていきたいと思います。
これは大きなくくりで2種類に分けられます。
1つ目は放送局のアナウンサー、いわゆる局アナによる実況です。
例えば、地上波でテレビ朝日がサッカー中継をする場合、テレビ朝日のアナウンサーが実況を担当します。
日本テレビなら日本テレビのアナウンサーが、NHK系列のBS1ならNHKのアナウンサーが、といった感じです。
2つ目は、フリーのアナウンサーです。
特定の放送局に所属せずに活動する、いわゆるフリーアナによる実況です。
この違い、実況にどう影響するのかわかりますか?
局アナの特徴
©Chrystian Guy2014局に所属するアナウンサー、いわゆる局アナの特徴は、目の前で起きている状況を熱く伝えることに重点を置いています。
シュートシーンのたびに叫んでみたり、点が決まったら「ゴーーーーール!!!」と大声で叫んでみたり、ラジバンダリ。
その結果、2chなどで「実況がうるさい」と言われることもよくあります。
もちろん、全ての局アナがそうするわけではありません。
しかし、ひとつ共通して言えることは、フリーのアナウンサーに比べると、あまり深い話しをしません。
それはなぜか。
理由はこうです。
局アナが深い話しをしない理由1
そもそも地上波は誰でも見ることができ、サッカーを詳しく知らない視聴者=ライト層が多くいることでしょう。
- テレビをつけたら、たまたまサッカー中継が放送されていた
- 他に面白い番組がないから何となく見ていた
という視聴者もたくさんいることでしょう。
そういった視聴者層に対して、例えば戦術や歴史などの超ディープな話題を延々と語り続けてもピンとこない方が多いと思います。(昔の自分)
つまり、情報を詰め込むことで興味を削がれチャンネルを変えられてしまう、という不測の事態にもなりかねないわけです。
局アナが深い話しをしない理由2
そしてもうひとつの理由は、局アナは様々なスポーツ中継を担当しているということです。
当然、伝えるプロとして、知識を叩き込み実況をしているとは思いますが、人間には限界もあります。
「知識はあるがあえて詳しく話さない」のではなく、「知識がないため詳しく話せない」という局アナが存在しているのは事実です。
フリーアナの特徴
対するフリーアナウンサーの場合はというと。
局アナのように、目の前で起きていることを熱く伝えることよりも、サッカー好きな人にとって興味津々な時事ネタだったり、チームの運営や育成の話しなどを、ゆったりと語りかけるようなスタイルが多くなります。
もうおわかり頂けると思いますが、その理由はこうです。
BSやCSなどの有料放送の視聴者層は、サッカーに詳しい人=コア層が多いため、そういった視聴者層を満足させるためには、より豊富な知識を持ち、そしてますます惹き付ける世界を生み出す話術が必要になるわけです。
人間は、好きなものや興味のあるものに対してはより詳しく知りたいと感じ、そうすることで満足感を得る生き物。
フリーアナの実況スタイルは、叫んで盛り上げるのではなく、知識や情報を深く掘り下げることで視聴者を楽しませてくれるのです。
実況を担当する放送局の種類と特徴
ここまでは局アナとフリーアナの違いについてお話ししましたが、ここからは視点を変えて、各放送局での実況スタイルの違いを見ていきましょう。
もはや有名な実況スタイルも含め、特に印象の強い放送局のみをピックアップしてご紹介します。
日本テレビ
各大陸の代表クラブチームが一同に集まり、世界一を目指す大会、「FIFAクラブワールドカップ」を独占放送する日本テレビ。
この放送局のサッカー中継には大きな特徴があります。
じっくり見てみましょう。
資料読み実況とは
日本テレビの一番の特徴は、いわゆる資料読み実況です。
資料読み実況とは、試合の流れに関係のない情報を延々と読み続け、シュートチャンスなどの場面になると慌てて声を張り上げ、ボールがゴール前から離れると、再び関係のない情報を延々と読み続けるという実況スタイルです。(サッカー通にはかなり有名)
しかし、いったいなぜそうなってしまうのでしょうか。
日本テレビのスポーツ中継で思いつくものと言えば、ずばり野球です。
日本で最も歴史があり、優勝回数も圧倒的な回数を誇る「読売ジャイアンツ」という球団の放映権を持つ日本テレビは、野球中継が得意中の得意。
そんな野球スタイルの実況を、サッカーに無理やり持ち込んでいるのです。
しかし、残念ながら野球とサッカーは試合のリズムが全く違うスポーツ。
野球ではしっくりきても、サッカーではNGなのです。
予定通りのはずなのに、「放送時間を延長して…」
サッカーはキックオフの時間が決められており、トーナメント戦で決着がつかない状況でない限り「90分+アディショナルタイム」で試合が終わるスポーツです。
※アディショナルタイム…試合中に負傷者などのトラブルによって中断された時間を補うため、前半と後半の最後に+1分、+2分などといった感じで追加される時間のこと。
しかし、日本テレビの中継でよく見られる不思議な光景…。
- 予定通りに試合が進んだ後半のアディショナルタイム中に、「放送時間を延長してお伝えいたします…」
- 別の試合では、試合終了のホイッスルとほぼ同時に、慌ただしく試合中継が終わる
一体どういう計算で放送時間枠を決めているのでしょうか。
不思議でしょうがないですし、見ている側からするとはっきり言って不快です。
選手に選手とつけまくり
試合開始前やハーフタイムなどにアナウンサーやゲストがやり取りする時間の中で…
- 「○○選手のドリブルはさすがでしたね!」
- 「後半の○○選手は楽しみですね!!」
- 「○○選手のクロスに○○選手が飛び込んだシーン!!」・・・・・。
出てんのみんな選手なんだから選手つけなくてよくね?(他の局もいるけど)
ただ、ここまでしつこいと逆に笑えるので、ある意味楽しませてもらえます。
話している内容は全く入ってきませんが。
他のスポーツはわかりませんが、サッカー中継の質に関しては間違いなく最下位、2部降格レベルです。
NHK BS1
NHKと言えば、日本を代表する放送局のひとつで、「老舗」という言葉がピッタリな放送局でしょう。
例えば、サッカー中継では有名なベテランアナウンサーの野地俊二さん。
この方の実況は、落ち着いたテンポと渋い声でとても聞きやすい。
そして、試合の流れ全体を把握できる的確な実況。
地上波では1番ではないでしょうか。(安定の野地さん)
ただ、野地さんも含めた最近のBS1の実況、危険です。
BS1では、プレミアリーグなどの海外リーグも放送していますが、NHKらしさに溢れており、日本人を応援しよう!というスタイルが色濃く表れています。
というか表れすぎています。
例えば、岡崎慎司が所属するイングランドプレミアリーグのレスターシティ。
その試合中継を見ていると、「岡崎8人ぐらい出てんじゃね?」というほど、岡崎の名前を連呼しています。
サッカーは11人×11人のスポーツ。
実際、岡崎という名前の選手が8人出場していれば仕方ありません。
しかし、レスターの岡崎は今のところ1人です。
監督の緻密な戦術により適材適所に選手が配置され、それぞれが勝つためにはどうしたいいかを考え、実行します。
伝えるべきことはたくさんあるのです。
しかし、BS1の実況では、日本人選手の一挙手一投足を伝えることに大半の時間が割かれ、試合内容はほとんど関係ありません。
その結果、どのチームでも日本の選手が中心プレイヤーで、あげくの果てには「チームの誰よりも優れているので、試合に出ないのはおかしい」と言ったようなことまで言うのです。
日本のテレビ局ですから、気持ちはわからなくもないですが、いくらなんでも大げさすぎますし、これではサッカーを純粋に楽しむことはできません。
「日本人はすごいんだぞ!」と洗脳されるような恐怖を感じます。
WOWOW
BS放送の契約+別途契約が必要なWOWOWですが、その分コンテンツは充実していると思います。
ただ、サッカー以外のスポーツも中継しており、地上波やBS1と同じ局アナによる実況スタイルとなるので、コア層の人にはあまり楽しめない実況と言えるでしょう。
その中でも異彩を放つのは、久保田さんというアナウンサーです。
- 興奮すると何を言っているか聞き取れない、つまりただただうるさい
- 選手の名前など間違いが多過ぎる
- 例えが非常にわかりづらい
といった特徴があり、はっきり言って聞けたものではありません。
CS
担当するフリーアナのほとんどがサッカー専門で実況を担当しているため、地上波の実況と比べれば独特に感じるかもしれません。
そのかわり、うるさいと感じたアナウンサーはいまのところゼロ。
違和感なく純粋にサッカーを楽しませてくれます。
例えば、西岡さんはイギリスへの留学経験があり、その経験を生かした圧倒的な知識は魅力のひとつです。
特定の選手の発音がかなりネイティブで、癖の強い実況とも言えますが、それがゆえに独特の世界を創り出しており、心地のいい時間を提供してくれます。
倉敷さんはまるで詩を読むように滑らかなトークを展開してくれて、独特な感性が生み出す比喩表現はとても印象的です。
サッカーという激しいスポーツを見ているというよりは、フィールドで展開される鮮やかで力強いパフォーマンスを鑑賞しているという表現が正しいでしょうか。
僕が海外サッカーをここまで好きになったのは、2000年にJ SKY SPORTSでリーガエスパニョーラの実況をしていた倉敷さんの影響です。
「実況は叫ぶだけではない」ということを教えてもらいました。
まとめ
以上が、僕が普段サッカー中継を視聴しているときに感じる実況の感想です。
地上波、BS、CSと、各放送局により様々な実況スタイルがあるのです。
「わかるわ~」「確かに気になるわ~」という方は必ずいるはず…。
サッカーはスポーツであり、エンターテイメントです。
実況という演出次第で、面白くもなり、つまらなくもなるのです。
せっかくなら楽しい実況で見たいですよね。
次回は、実況の大事な大事な相棒、「解説者」に迫ります。