強豪国のサッカースタイル・第7弾 アルゼンチン編 | 真面目に遊んで生きてくレシピ

強豪国のサッカースタイル・第7弾 アルゼンチン編

ブエノスアイレスの街並み

現在サッカーは、IFABが定める競技規則によって、全世界共通のルールのもとにプレーされています。

しかし、共通のルールがありながらも、世界各国には様々なサッカースタイルがあります。

例えば、グループの規律を重視するヨーロッパ、それとは逆に、個人技を重視する南米。

いったいなぜこういった違いが生まれるんでしょうか。

そこには、体格や人種、生活スタイルなどの国民性から、政治、経済、音楽、言語などの文化までもが複雑に絡み合い、サッカー誕生から150年以上という長い歳月をかけて築き上げられてきた歴史があったのです。

そこで、「強豪国のサッカースタイル」と題したこの特集では、サッカーバカ歴20年の僕がその答えを求めるため、ワールドカップの強豪国、さらには強豪クラブチームがひしめいているヨーロッパと南米に絞って、各国のサッカーの由来に迫り、スタイルや戦術の違いを詳しくまとめてみました。

シリーズ最終回となる今回は、2014年ワールドカップブラジル大会準優勝、アルゼンチンをご紹介したいと思います。

↓第6弾・王国ブラジル編はこちらからどうぞ。

ブラジルのサッカースタイルをまとめました。この記事を読むことで、サッカー強豪国ブラジルのサッカースタイルの由来と、サッカー王国と呼ばれる理由がわかります。
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南米らしさ溢れる個性

アルゼンチンサッカーで思いつくのは、何といってもこの方、「ディエゴ・マラドーナ」。

1986年メキシコ大会で起きたふたつの出来事、「神の手」「5人抜き」は、ワールドカップの歴史を振り返る際、絶対に外すことのできない有名なエピソードですが、実は、そのふたつとも、ベスト8のイングランド戦で起きた出来事なのでした。

マラドーナという男

マラドーナは選手として、イタリア・セリエAで当時リーグ優勝経験のなかったナポリを2度頂点に導き、上述の1986年ワールドカップメキシコ大会では中心選手としてアルゼンチン代表を優勝へ導くとともに、人々に強烈なインパクトを残しました。

そして、引退後も違法薬物使用や空気銃乱射、代表監督に就任した際の個性溢れる言動などで、斬新な生き様を貫いてきました。

彼は、いつの時代であろうが、どんな立場であろうが、良くも悪くも人々の興味を惹きつけてやまない話題性に富んだ人物です。

マラドーナ引退後から現在に至るまで、アルゼンチン出身のドリブラーを「マラドーナ二世」と呼ぶ習慣ができていますが、神とも呼ばれるほどの彼のキャラクターは唯一無二、あまりにも独創的過ぎて、二世と呼ぶこと自体不毛な気がしてなりません。

メッシという男

アルゼンチンが、これまで才能豊かなドリブラーを次々と生み出してきたのは周知の事実です。

  • アリエル・オルテガ
  • パブロ・アイマール
  • ハビエル・サビオラ
  • カルロス・テベス
  • アンヘル・ディ・マリア
  • セルヒオ・アグエロ
  • エセキエル・ラベッシ

彼ら全てに当てはまるわけではありませんが、派手なフェイントを多用するブラジルのドリブラーとは少し違い、細かいボールタッチでコースを変え、緩急を使い分けて縦に抜けるのを得意とする選手が多く、その中でも特別な存在となっているのが「リオネル・メッシ」です。

スペインの名門・バルセロナのカンテラ(下部組織)出身の彼は、当初右サイドのウィンガーとして活躍しだしましたが、ペップ・グアルディオラ監督の戦術の意向で、ゼロトップの偽9番であるセンターへポジションを移し、柔軟な思考と高い適応力によって、高次元のドリブラー+パサー+ストライカーとなり、現在のプレースタイルを確立します。

バロンドールの受賞回数は5回、2011-12シーズンにはリーガ・エスパニョーラで50得点を叩き出し、マラドーナと比較すること自体が蛇足であると感じさせるほどの、「生ける伝説」です。

アルゼンチンサッカーの意外なスタイル

2006年に見せた華麗なゴール

アルゼンチンのサッカースタイルを思い浮かべた時、おそらく誰もがイメージするのは「テクニックを駆使した細かいパスを繋ぐ華麗なサッカー」ではないでしょうか。

2006年ワールドカップドイツ大会、グループリーグのセルビア・モンテネグロ戦で、自陣でのボール奪取から実に26本のパスを繋ぎ続け、そのままゴールをあげたシーンを覚えている方は少なくないはず。

しかし、2014ワールドカップブラジル大会で準優勝の成績を残した代表は、華麗なパスサッカーとは言い難い試合内容で勝ち上がりました。

2014年に見せた堅実な守備

アグエロ、ディ・マリア、イグアイン、メッシと、そうそうたるタレントが揃う攻撃陣がどんなサッカーを見せてくれるのか、世界は注目しましたが、このチームを決勝の舞台まで運んだ戦術は、「堅実なディフェンス」でした。

確かに、アルゼンチンはドリブラーに限らず、バティストゥータ、クレスポ、クラウディオ・ロペスやレドンド、リケルメ、ヴェロンなど、攻撃センス溢れる名選手を多く輩出しています。

しかし、この国の人種の85%は、イタリア・スペインなどのヨーロッパ系の移民で占められており、首都ブエノスアイレスは「南米のパリ」と呼ばれるほど、ヨーロッパ文化が浸透した都市なのです。

そこで暮らす人々はあくまでもヨーロッパ的な思考を好み、「他の南米の国とは違うんだ」と言わんばかりのプライドも合わせ持っています。

つまり、アルゼンチンのサッカーの特徴は、結果重視のカテナチオのような堅いディフェンスをベースにし、前線には縦に速いドリブラーを配置した「カウンターアタックを主体とするサッカースタイル」と言えます。

ヨーロッパの組織力を生かしたディフェンスと、南米特有の個の力を生かしたオフェンスを融合した「堅守速攻型」のサッカーこそが、彼らの最大の武器なのです。

まとめ

2014年ブラジル大会では惜しくも頂点に手が届かなかったアルゼンチン代表。

そこまでたどり着く道中に見せたプロセスは極めてヨーロッパスタイルでしたが、前線の豊富なタレントを生かした華麗な南米スタイルのサッカーを見せてほしいと思うのは、僕だけではないはずです。

2018年ロシア大会では、一体どんな戦術、スタイルで臨むのか。
生ける伝説メッシは、ワールドカップという国際舞台で、アルゼンチン代表をマラドーナと並ぶ結果=優勝に導くことはできるのか。

いずれにしても、ロシア大会で1、2を争う注目の選手であることは疑いの余地がありません。

↓次回は、ちょっと違うテイストのこちらの記事です。

VAR・ビデオアシスタントレフェリーのまとめ記事です。VARの概要と、2017年のコンフェデレーションズカップ、2018年ロシアワールドカップで感じた印象を話しています。
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