サッカー強豪国・アルゼンチン代表の本質とはなにか。 | 真面目に遊んで生きてくレシピ

サッカー強豪国・アルゼンチン代表の本質とはなにか。

ブエノスアイレスの街並み

1930年、第1回大会が開催されてから約1世紀の歴史を重ねてきたFIFAワールドカップ。

その1世紀の中で、実に5度の決勝進出を果たしたのがサッカーアルゼンチン代表です。

日本のメディアでは、事あるごとに「華麗なパスサッカー」に注目を奪われるアルゼンチンですが、その本質は果たして真実なのでしょうか。

そこで今回は、サッカー強豪国であるアルゼンチンサッカーの特徴を深く掘り下げ、その真のサッカースタイルを追求していきたいと思います。

この記事を読むことで、アルゼンチンサッカーの実体を見ることができるでしょう。

前回のサッカー王国ブラジル編はこちらから。>>>ブラジルサッカーが強い理由は文化・国民性・輸出大国の3つである。

サッカーブラジル代表がなぜ強いのか、その理由をまとめました。この記事を読むことで、サッカー強豪国であるブラジルサッカーの特徴と、王国と呼ばれるほどの強さの理由がわかります。
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サッカー強豪国・アルゼンチンのワールドカップの成績

では、はじめにサッカー強豪国と呼ばれるアルゼンチン代表のこれまでのワールドカップの成績を振り返ってみましょう。

開催年 成績 出場国数
1930 準優勝 13
1934 1回戦敗退 16
1938 不参加 15
1950 13
1954 16
1958 グループリーグ敗退
1962
1966 ベスト8
1970 予選敗退
1974 2次リーグ敗退
1978 優勝
1982 2次リーグ敗退 24
1986 優勝
1990 準優勝
1994 ベスト16
1998 ベスト8 32
2002 グループリーグ敗退
2006 ベスト8
2010 ベスト8
2014 準優勝
2018 ベスト16

1930年、ウルグアイで開催された第1回のワールドカップにおいて準優勝を収めたアルゼンチン代表。

1978年大会で初優勝を収めると、1986年と1990年には2大会連続で決勝まで進出するという快挙を成し遂げます。

まさにサッカー強豪国への仲間入りを果たしたアルゼンチン代表ですが、その快挙を生み出した中心選手は誰もが知るあの名選手です。

では、次の章からアルゼンチンサッカーの中心となった人物をメインに、そのサッカースタイルを詳しくご紹介していきましょう。

南米らしさ溢れる個性

アルゼンチンサッカーで思いつくのは何といってもこの方、「ディエゴ・マラドーナ」です。

1986年メキシコ大会で起きたふたつの出来事「神の手」「5人抜き」は、ワールドカップの歴史を振り返る際に絶対外すことのできない有名なエピソードですが、あなたはその2つともがベスト8のイングランド戦で起きた出来事なのはご存知でしたか?

それでは、神の子とも呼ばれたマラドーナについて深く掘り下げてみましょう。

マラドーナという男

アルゼンチン、いや世界を代表する名選手、ディエゴ・マラドーナ。

身長165cm、決して恵まれた体格ではないマラドーナでしたが、イタリア・セリエAで当時リーグ優勝経験のなかったナポリを2度も頂点に導き、1986年ワールドカップメキシコ大会では、まさに中心選手としてアルゼンチン代表を優勝へ導いた偉大なプレイヤーなのです。

しかし、引退後は違法薬物使用や空気銃乱射、代表監督に就任した際の個性溢れる言動などで、違った意味での強烈なインパクトを人々に見せつけてきました。

そう、彼はいつの時代であろうがどんな立場であろうが、良くも悪くも人々の興味を惹きつけてやまない話題性に富んだ人物なのです。

マラドーナ引退後から現在に至るまで、メディアはアルゼンチン出身のドリブラーを「マラドーナ二世」と呼ぶのが慣例となっていますが、神とも呼ばれるほどの彼のキャラクターは唯一無二であり、あまりにも独創的過ぎて二世と呼ぶこと自体が不毛な気がしてなりません。

メッシという男

これまで、アルゼンチンが才能豊かなプレイヤーを次々と生み出してきたのは周知の事実です。

  • アリエル・オルテガ
  • パブロ・アイマール
  • ハビエル・サビオラ
  • カルロス・テベス
  • アンヘル・ディ・マリア
  • セルヒオ・アグエロ
  • エセキエル・ラベッシ

彼ら全てに当てはまるわけではありませんが、派手なフェイントを多用するブラジルのドリブラーとは多少異なり、細かいボールタッチでコースを変え、緩急を使い分けて縦に抜けるのを得意とする選手が多く、その中でも異彩の存在となっているのが「リオネル・メッシ」です。

身長170cm、サッカー選手としては決して大きくないメッシですが、その才能を買われてスペインの名門・バルセロナのカンテラに所属し、キャリアをスタートします。

当初、右サイドのウィンガーとして活躍しだしたメッシでしたが、当時監督だったペップ・グアルディオラの戦術の意向で、ゼロトップの偽9番であるセンターへポジションを移し、高い適応力によって、高次元のドリブラー+パサー+ストライカーとなり、現在のプレースタイルを確立します。

バロンドールの受賞回数は5回、2011-12シーズンにはリーガ・エスパニョーラで50得点を叩き出し、マラドーナと比較すること自体が蛇足であると感じさせるほどの、「生ける伝説」です。

そして、この両者に共通するプレースタイルは「名ドリブラーであること」ですよね。

ワールドカップなどの大きな国際大会では、毎回のようにアルゼンチンのフォワード陣がピックアップして紹介されていますが、それは表面上を紹介しているだけのパンフレットに過ぎず、実はアルゼンチンサッカーの本質はそこではないのです。

それは一体どういうことなのか、次の章でご紹介していきましょう。

アルゼンチンサッカーの真のスタイルとは?

ではここからがいよいよ本題です。

まずは誰もが抱いているであろう「アルゼンチンらしさ」をご紹介しましょう。

2006年に見せた「らしさ」溢れるゴール

アルゼンチンのサッカースタイルを思い浮かべた時、おそらく誰もがイメージするのは「テクニックを駆使した華麗なサッカー」ではないでしょうか。

2006年ワールドカップドイツ大会、グループリーグのセルビア・モンテネグロ戦のこと。

アルゼンチン代表は自陣でのボール奪取から実に26本ものパスを繋ぎ続け、そのままゴールをあげたシーンを覚えている方は少なくないはずです。

「アルゼンチン=華麗なパスサッカー」という方程式が見事に当てはまり、まさにアルゼンチンらしさ溢れるゴールですが、この大会ではベスト8で大会を去ることになります。

それから8年後、2014年に開催されたワールドカップブラジル大会では、決勝で惜しくもドイツに敗れるものの、準優勝という好成績を残したアルゼンチン代表。

しかし、決勝に至るプロセスで見せた彼らのスタイルは、決してアルゼンチンらしさを感じる華麗なパスサッカーとは言い難い試合内容で勝ち上がったのです。

事実、決勝トーナメント4試合のうち実に3試合を延長戦までこなし(つまり120分間)、それら4試合の中で失点したのは決勝戦の1失点のみとなっています。

2014年に見せた堅実な守備

アグエロ、ディ・マリア、イグアイン、メッシと、そうそうたるタレントが揃う攻撃陣がどんなサッカーを見せてくれるのか、世界は彼らフォワード陣に注目しましたが、このチームを決勝の舞台まで運んだ戦術は「堅実なディフェンス」でした。

確かに、アルゼンチンはドリブラーに限らず、バティストゥータ、クレスポ、クラウディオ・ロペスやレドンド、リケルメ、ヴェロンなど、南米特有のセンスを持ち合わせた名選手を多く輩出しています。

しかし、この国の人種の85%はイタリア・スペインなどのヨーロッパ系の移民で占められており、首都ブエノスアイレスは「南米のパリ」と呼ばれるほど、ヨーロッパの文化が浸透した都市として名が知れています。

そこで暮らす人々はあくまでもヨーロッパ的な思考を好み、「他の南米の国とは違うんだ」と言わんばかりのプライドも合わせ持っているのです。

つまり、アルゼンチンのサッカーの最大の特徴は、結果重視のカテナチオのような堅いディフェンスをベースとし、前線には縦に速いドリブラーを配置した「カウンターアタックを主体とするサッカースタイル」と言えるわけですね。

関連記事>>>イタリアサッカーの特徴「1-0の美学」には”必然性”があった

イタリアサッカーの特徴をまとめています。この記事を読むことで、ワールドカップ優勝4回の強豪国であるイタリア代表と、カルチョの名で親しまれるイタリア・セリエAのサッカースタイルや戦術の特徴がわかります。

このように、アルゼンチンはヨーロッパの組織力を生かしたディフェンスと、南米特有の個の力を生かしたオフェンスを融合した「堅守速攻型」のサッカーこそが彼らのサッカーの本質であり、最大の武器なのです。

まとめ

2014年ブラジル大会では、惜しくも頂点に手が届かなかったアルゼンチン代表。

決勝へのアプローチは極めてヨーロッパスタイルでしたが、前線の豊富なタレントを生かした華麗な「らしさ溢れるサッカー」を見せてほしいと思うのは、僕だけではないはずです。

アルゼンチンは各ポジションに選手が揃っているだけに、今後ワールドカップで頂点に立つためには、有能な監督の出現は絶対条件となるでしょう。

次回は、近年特に注目を集めているサッカー強豪国・フランスをご紹介します。>>>フランスサッカーでは黒人による革命が今も起きている!

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