プレスリング・スプリットリング・ソリッドリング・溶接リングの違い

プレスリング・スプリットリング・ソリッドリング・溶接リング相関図ぼかしアリ ライトショアジギング
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ショアジギングに関するブログや動画サイトを見ていると、プレスリング・スプリットリング・ソリッドリング・溶接リングなどいろいろなリングを見かけますね?

どれがどのリングを指しているのか、どれがどんな形状のものなのか、意外とゴチャゴチャになっている人も多いと思うので、今回は4者それぞれの違いを解説します。

今までなんとなく受け流していた4つのリングの違いをハッキリさせてみませんか。

スプリットリング

1つめは、スプリットリングの特徴をご紹介しましょう。

スプリットリング 二重リング

画像を見るとよくわかるように、鍵などをつないだりする二重リングと同じ形状をしているのがスプリットリングです。

しかし、「スプリットの意味ってなんだろう」と考えたとき、ふと思い出したのがこれ。

ボーリング スプリット

そう、ボーリングの「スプリット」

というのも、スプリットリングのスプリット(Split)には「割れる・裂ける・分割する」といった意味があるため、このように両端だけが残って「ピンが割れた状態」をスプリットと呼んでいます。

このほかにも、木材などを縦にまたは木目にそって割ることもやはりスプリットと呼ぶことから、つまり「スプリットリングとは、裂け目にそって割れる形状のリングのこと」というふうに言い換えることができますね。

ちなみに、スピリット(Spirit)は魂や精神、スピリッツ(Spirits)は蒸留酒、ポーランド原産のアルコール度数96%の激アツなお酒の名前はスピリタス(Spirytus)。

ソリッドリング

ソリッドリング(プレスリング)

2つめは、ソリッドリングのご紹介。

ソリッドリングのソリッド、どっかで聞いたような響きだなと思いつつ調べてみると、ソリッドにはまず「固形」とか「固形化した」といった意味があるようで、このヒントでようやく思い出したのが整髪料のヘアワックス。

髪型をしっかりキープしてくれるというところから、私も好んでソリッドなヘアワックスを愛用しているわけですが、文字としての表現方法は多様にあるものの、ソリッドの意味はおおむねこういったものがあげられます。

  • 堅固なさま、硬質なさま
  • 中身のつまった、中空でない
  • 純粋な
  • 中まで同じ材質の
  • 確かな、信頼のできる、頼りになる
  • 真面目な、実直な、堅実な、良識のある
  • 隙間のない、(線が)途切れていない

ソリッドリングの1番の特徴は、スプリットリングのような「途切れ」がないことによる圧倒的な強度の高さ。

これをより端的に言い換えると、「ソリッドリングとは、めちゃめちゃ硬くて切れ目がないリングのこと」というふうに表現することができますね。

プレスリング

プレスリング(ソリッドリング)

3つめはプレスリング。

プレスを直訳すると「圧力をかけること」なんですが、このプレスリングの場合はプレス機で打ち抜いたリングのことを指しています。

「プレス機で打ち抜くってどういうこと?」と思ったあなたにぜひ見てもらいたいのが、文房具メーカー大手のコクヨが世に提供するこちらの一品。

そう、書類などをファイリングするときに使う「穴あけパンチ」。

単にパンチとかパンチャーとか呼んだりもしますが、イメージとしてはプレス機が穴あけパンチ、そこに挟み込む紙をステンレスの板に置き換えてみると、なんとなくプレスリングの製造過程が想像できると思います。

ようするに、プレスリングはソリッドリングと同じく「途切れ」がない形状をしているため、これを単刀直入に言い換えれば「プレスリングとは、めちゃめちゃ硬くて切れ目がないリングのこと」なのです。

溶接リング

溶接リング(ソリッドリング)

溶接リングはその名の通り、1本のステンレスの棒を円形にして溶接し、つなげたリングのこと。

ということは、一見すると、溶接リングとプレスリングは「硬くて切れ目がないリング」という意味では同じ性質であると言えますが、強いてあげるならひとつだけ異なる点があります。

それは、断面の形状の違い。

プレスリングと溶接リングの断面図

両者の特徴がわかりやすいようにやや誇張したイラストになっていますが、ご覧のように、1枚の板から打ち抜かれたプレスリングの断面は角のある四角い形状、いっぽう溶接リングは断面が丸い1本の棒を曲げてつなげているので角がなくなめらかな形状。

ということは、ショックリーダーなどのラインをリングに結びつけたとき、結び目にかかる負荷は角のあるものよりも丸いものの方が満遍なく力が加わるため、結んだラインは切れにくいはず。

それを裏付けるデータがないかと探してみたところ、オフショアのジギング情報を紹介しているこちらのサイトの記事が大変参考になったので、リンクを貼っておきます。

1つめにご紹介した実験結果では、わずかに1%ですがやはり溶接リングの方がプレスリングよりも強度が高いと証明されています。

ところが、2つめにご紹介する実験では想定外の結果が。

実験結果を要約すると、おおむね以下のような考察になります。

  • 結束方法がユニノットの場合、打ち抜きのプレスリングの方が強度が高い
  • 結束方法がジャンスィックSPの場合、プレスリングと溶接リングの強度は同程度

この実験でわかったことは、結束するノットの種類、摩擦、負荷のかかる方向の違いなど複数の要因が絡み合うため、単純に「角度がなめらかなほうがラインが切れにくい」とは言い切れないようでして、この章の冒頭で溶接リングとプレスリングの違いをあげる際にあえて「強いて」と付け加えたのはこのためです。

したがって、我々一般の釣り人からすれば、溶接リングとプレスリングのとっても微妙な形状の違い、そして結束するノットによっても誤差が出るような、まるで「あるようでないような違い」についてはあまり気にする必要がないのかなと、私は思っています。

以上の考察から、「溶接リングとは、めちゃめちゃ硬くて切れ目がないリングのこと」であり、プレスリングと限りなく似た性質を持っていると言えます。

まとめ

最後に、ショアジギングで使う4つのリング、プレスリング・スプリットリング・ソリッドリング・溶接リングのそれぞれの特徴をおさらいします。

  • スプリットリングは裂け目にそって割れる形状のリングである
  • プレスリングは1枚の板から打ち抜いた硬くて切れ目がないリングである
  • 溶接リングは1本の棒を円形にしてつなげた硬くて切れ目がないリングである
  • ソリッドリングは硬くて切れ目がないリングである

つまり、4者のリングの違いをまとめると、以下のような相関図を描くことができます。

プレスリング・スプリットリング・ソリッドリング・溶接リングの相関図

この相関図をもとに、4者の関係性を整理して終わりにしましょう。

  • ショアジギングで使うリングは大きく分けると2種類あり、それぞれを「スプリットリング」「ソリッドリング」と呼ぶ
  • そのうちの1つ、ソリッドリングはさらに2種類に分けることができ、それぞれを「プレスリング」「溶接リング」と呼ぶ

つまり、リング4兄弟というわけではなく、スプリットリングはあくまでもスプリットリングであり、ソリッドリングを細分化したときに初めてプレスリングと溶接リングという名が登場するということですね。

各リングの画像にも文字で表していますが、プレスリング(ソリッドリング)、溶接リング(ソリッドリング)と表記したのはそのためです。

この記事が、あなたの趣味をより豊かにできますように。

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